建学の精神
本学の建学の精神は、「キリストの教えに基づき真理を求め、子どもたち一人一人を大切にしながら幼児を教育する保育者を養成する。」である。
本学の設立母体「聖心の布教姉妹会」は、1920年(大正9年)神言会員ヨゼフ・ライネルス師によって創設された邦人カトリック修道会(当時は「聖心愛子会」と称した)である。同年9月、秋田市に保育所「聖心園」を設立したのを皮切りに、キリストの愛を広め人々を幸せに導くことを目的として日本各地に数々の児童養護施設、保育所、幼稚園、診療・療養所、老人ホーム、母子ホーム等を開設するなど広範な社会福祉活動を展開してきた。中でも幼児・児童の保護や育成には大きな力を尽くしてきたことが活動の特徴であった。その後、1940年(昭和15年)には「日本社会の中堅となる若者たちが、神に支えられ導かれているという信仰と理想に生きる日本人として育ってほしい。」との崇高な理想のもとに修道会自らが優れた保育者を養成する目的で秋田市保戸野に「聖園保母学園」を創設したのが本学の始まりである。ライネルス師の「若い人たちが、キリストの愛の心で子どもたち一人一人を大切にしながら幼児を教育するようになってほしい。」との理想は上記の聖園学園短期大学の建学の精神として確立され、長い保育者育成の歴史を支えてきた本学教育活動の根幹として今日に至るまで脈々と引き継がれている。
教育理念
本学では建学の精神に基づいて、「一人一人の幼児が人々に愛され、人間形成の大切な時期に幸せな人生となる基礎を培うための援助の知識と技能を身に付けさせること。」、「幼子を特に愛されたキリストの聖心を自分の思いとし、思いやり、感謝、祈りの心が幼児のうちに育つよう、自らが努力する姿勢や態度を育成すること。」を教育理念として掲げている。
教育目的
カトリックの精神に基づき真理を求め、人を愛して生きる人生観を基礎として、高度な教養と幼児教育者として必要な知識と技能を授けることを目的とする。(学則第1条)
教育目標
建学の精神及び教育基本法の理念に基づき、保育者として社会に貢献する人材を育成するために、次に掲げる目標を達成するよう努める。
1)キリストの教えに基づいて、一人一人がかけがえのない存在であることを認識し、自己と他者を大切にできる人を育成する。
2)子どもの健やかな成長・発達の援助者に必要な専門的・実践的な知識や技能を身に付けさせる。
3)学生が心身ともに健康で、よき社会人として自立し活動していけるようにコミュニケーション力や問題解決力を育てる。
4)変化する社会に関心をもち、主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度や保護者や地域のニーズに応えようとする姿勢を培う。
5)自然や文化に親しみ、豊かな人間性や感性を養う。
聖園学園短期大学の三つのポリシー
○ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)
本学の保育者養成を第一義とする建学の精神に鑑み、必要な単位を取得し、下記の要件を備えるに至ったと認められる者に対し、定められた学位を授与する。
1) 人間の尊厳を大切にし、他者の立場に立って考え行動する力を身に付けている。
2) 幼児教育に対する意欲と使命感、探究心を備えている。
3) 子どもの成長や発達等の保育に関する専門的、実践的な知識を修得している。
4) 子どもの健やかな成長を支え、子どもにかかわる様々な問題を解決するために必要な技能や表現力等、実践的な能力を身に付けている。
5) 他者と協調・協働して物事に取り組むことができ、広く社会に貢献しようとする姿勢を身に付けている。
○カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成・実施の方針)
本学の教育目標の達成と幼稚園教諭二種免許状・保育士資格両方を取得できるように、以下のような視点で教育課程を編成・実施するとともに、評価・改善を図りながら教育課題の解決に取り組む。
1) 「建学の精神」を学ぶ科目をはじめとする基礎教養科目と幼児教育に関する専門科目を設定し、科目の教授内容や実習時期等に配慮した科目配列の順序性にしたがって編成する。
2) 学習の質を高めるために、内容に応じてアクティブラーニングの手法の工夫や学習支援の充実を図る。
3) 全学協力体制のもとに、各教科の連携による実習事前・事後指導の充実と実習園等関係施設との連携を踏まえた学習による実践力の向上を図る。
4) 「キャリア教育」「諸行事」「地域貢献活動」等の多様な教育活動の展開を図り、豊かな感性やコミュニケーション力等の涵養に努める。
○アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)
キリスト教の精神に基づき、社会に貢献する保育者を養成するという本学の使命のもとに、次のような資質・能力を備えた人物を求めている。
1) 豊かな人間性と生命を尊重する気持ちを持ち、自分と同じように他者を大切にして社会の人々の幸福に寄与できる人
【豊かな人間性、生命の尊重、隣人愛、社会貢献】
2) 子どもに関わることに喜びと使命感を持ち、入学後も主体的に保育者になるために必要な資質・能力を高めようと努力する人
【子どもに関わる喜びと使命感、主体性、学びの精神】
3) 入学後の学びの基盤となる基本的な知識及び技能を身につけている人
【基本的な知識及び技能】
4) 自分の持つ知識や技能を活用して課題について深く考察できると共に、周囲の人々と協力してその解決のために努力できる人
【課題考察力(思考力・判断力・表現力)、協働力】
沿 革
1920年(大正9年)5月 | ヨゼフ・ライネルス師による「聖心愛子会」(後に「聖心の布教姉妹会」と改称)創設 |
1940年(昭和15年)4月 | 聖園保母学園創設 |
1951年(昭和26年)4月 | 聖園保母学園が保母養成施設として設置認可 |
1952年(昭和27年)5月 | 聖園高等保母学院設置認可 |
1954年(昭和29年)9月 | 学校法人聖園学園設置認可 |
1957年(昭和32年)2月 | 聖園高等保母学院に聖園幼稚園教諭養成所を併設 |
1966年(昭和41年)4月 | 聖園学園短期大学開学(保育科定員200名) |
1967年(昭和42年)3月 | 聖園幼稚園教諭養成所廃止 |
1968年(昭和43年)3月 | 聖園高等保母学院廃止 |
2012年(平成24年)3月 | 新校舎竣工 |
2012年(平成24年)4月 | 男女共学開始 |
2016年(平成28年)11月 | 短期大学開学50周年式典挙行 |
2021年(令和3年)3月 | ライネルス棟竣工 |
2021年(令和3年)4月 | 聖園学園短期大学創立80周年記念式典挙行 |