学長からのメッセージ
 本学では、4月10日に秋田県で2件の新たな新型コロナウイルスの感染が確認されたことを受け、5月6日まで臨時休業とし、すべての授業を休講としました。その後4月14日以降、新たな感染者は出ておらず、秋田県では県境を越えた移動の自粛などが奏功したと思われます。
 5月7日、新型コロナウイルス感染症に対する心配を感じながらも、学生たちは待ちに待った学校再開に大きな期待と喜びを持って登校してきました。
 学生たちの話を聞きますと、「初めは不安と焦りがあったが、次第にこの静けさが自分の内面を見つめる時間になった」とか「家族とゆっくり過ごす時間が多くなった」とか「保育についての課題に取り組み保育の楽しさを感じ、早く学校に行きたいと思った」など、私が考えていた以上に逞しく前向きにこの休講期間を過ごしていたことが伝わってきました。  ようやく短大に従来の活気と明るさが戻ってきた今、私たちは未来に向かって何をしなければならないのか、自分でしっかり考える必要があります。それが今の私たちに課せられた大事な課題です。
 振り返りますと本年は、昭和15年4月に「聖園保母学園」が創立されてから、ちょうど80周年の記念の年になります。本学の設立母体である「聖心の布教姉妹会」は創立100周年の年です。この80年の間に築かれた「聖園の精神」は多くの先輩たちによって、しっかり土台が築かれてきました。
 皆様もこのコロナ禍の中で感じた「命の大切さ」と「隣人をあなた自身のように愛しなさい」(マルコ12:34)いう教えを受け「子どもたち一人一人を大切にしながら、キリストの心で幼児を教育する」という建学の精神を大事にし、新たな次の一歩を、コロナに負けない力強さで歩み出していただきたいと思います。

令和2年5月
聖園学園短期大学
  学長 門戸 美智